税理士に対して支払う料金。料金表の有無。

 税理士の変更を検討されているお客様にお話を伺うと、

「若い担当者が来るだけで有資格者の話を聞く機会がない。」
「税務的、経営的なアドバイスを適時にしてもらえない。」
「経理は会計事務所に任せているが、説明が不十分でイマイチ自社の状況が見えてこない。」

といった、会計事務所の応対に対する不満もありますが、

「顧問料が安いと思って契約したのに、ことあるごとに追加料金を請求される。」

など、料金に対する不満も少なくありません。

 その中でも、料金に対する不満を少しでも解消、和らげられるよう、多くの会計事務所ではホームページ上で価格表を掲示しています。
 しかし、これまでかなりの数の会計事務所のホームページを閲覧し、価格体系のページも見てみたのですが、やはり結果としていくら掛かるのかが分かりづらくなっています。

 『毎月訪問キッチリプラン、年一訪問ライトプラン、決算料は顧問料の6か月分、消費税の申告書作成が必要な場合は・・・etc』

 お客様の立場からすれば、最初は不安な点が多く、月1回でなくて何度も来てほしい場合もあると思います。
 また、特に相談することもないのに、「月1プランだから」と来てもらい雑談するだけでは貴重な時間を奪われかねません。
 消費税の申告が必要となる条件なんてそもそも知らず、突然「必要になったので」と言われ請求されたらたまったものではありません。
 必要な時に必要な時間来てもらえ、事前に納得している金額を支払いたいと思うのは通常ではないでしょうか。

 一方で税理士側としては、例えば会社規模に応じた価格表があると、同規模でも何度も無理を言ってくるお客様と、問い合わせ頻度の少ないお客様との区別が難しくなります。
 決算でも、数多くの税金優遇措置を調べ、判定し、適用する会社と、欠損がありしばらく税金が生じないお客様との区別も困難です。
 安易に金額的区別をつけてしまうと、「価格表はウソなのか。」と新たな火種になりかねません。
 われわれもまた、掛かった手間やリスクに応じた納得できる金額を頂きたいと考えています。

 そんな理由から、私も非常に迷ってはいたのですが、しばらくは価格表を作らないことにしました。
 
 新たなお客様とお話させていただく際には、一般的な会計事務所の年間通じての実施業務を羅列し、

 ・当会計事務所で必ず対応する業務
 ・可能であればお客様で対応いただき、その分値下げする業務
 ・当会計事務所ではできない業務

 に区分し、双方にとって月額でいくらであれば折り合いが付きそうかを決めていくスタンスを採っています。
 加えて、再三で書かせていただいている通り、全て月額に織り込み、期の途中で追加請求はいたしません。
 
 やはり料金表を見ないと予測しづらい、との声もあると思うので、一概に何が正解かは分かりませんが、しばらくはお客様と相談しながら決めていく方法をとっていきたいと思います。

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