決算直前節税対策~固定資産の購入~ written by スタッフ尾上

 決算日が近くなってきて、いざ利益を確認してみると、
「思ったより多く利益が多く出てしまった!」
と思ったことはないでしょうか?

 もちろん利益が上がるのは喜ばしいことですが、所得金額によって段階的に税率が上がる場合、
「あと少し利益が少なかったら低い税率で済んだのに…。」
 なんて後悔に繋がってしまうかもしれません。

 そこで決算期直前の節税対策として
 
 「固定資産の前倒し購入」

 を考えてみてはいかがでしょうか。
 
 基本的に固定資産は物によって耐用年数が決められており、その年数に渡り「減価償却費」として、少しずつ費用化していく必要があります。
 100万円の固定資産を購入したからと言って、その期の経費を100万増やせた!利益が減らせる!とはならないわけです。

 ですが、青色申告事業者や中小企業であれば、30万円未満の固定資産は全額、購入した期の経費にすることができます。
 ※大企業等は10万円未満のみ

 これを【中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例】と言います。

 この制度を利用すれば、例えば5万円のものを20個購入すれば100万円の経費が作れるというわけです。

 【中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例】をもう少し詳しく説明します。
 この特例は令和2年度税制改正によって変更になった部分もあるので比較しながら見ていきましょう。

特例適用期間

  改正前 令和2年3月31日まで
 ※改正後 令和4年3月31日まで (2年間の延長)

上限

 1事業年度:合計300万円まで

中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例 適用対象法人

 ・資本金額又は出資金額の額が1億円以下

 ・直近3事業年度の平均所得が15億を超えない

 ・青色申告をしている

 ・常時使用する従業員が
   改正前:1,000人以下
  ※改正後:500人以下


 この特例は、期限が来るたびに延長されてきましたが、念のため期限があるということは覚えておくと良いでしょう。
 
 節税対策として固定資産の購入を勧めてきましたが、もちろん節税対策で余分なものを買ってしまっては本末転倒です。
 
 今期はどのくらいの利益が出そうで、どこまで利益を落としたいのか。

 これをしっかりと把握した上で、作業効率を上げる物や、従業員のやる気に繋がる物を購入してみてはいかがでしょうか。
 今回のコロナウイルスのようにリモートワークでもできるよう設備を整えるのも良いと思います。
 利益が多く出た時こそ、会社の改善に力を入れて、来期以降の更なる売上UPにうまく繋げていきたいですね。

 余談ですが、所長の幅は少し前にパソコンを新しくしたら、処理速度が上がり格段に作業効率が良くなってご機嫌です。
 スキャナーなども調べていたのですが、最近のスキャナーは読み込んだものを更に編集することもできるみたいです。
 普段使っているものを最新の物にすると仕事パフォーマンスが格段に上がり、気分も上がり、良いこと尽くしかもしれませんね。

 今回紹介した特例の詳しい内容については、下記参考URLで確認をしてください。
 ただし、国税庁HPは平成31年4月1日時点での法令を元に記載されているため、変更箇所については経済産業省の資料で確認ができます。

 参考URL
・国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5408.htm
・経済産業省(該当箇所3-2)https://www.meti.go.jp/main/zeisei/zeisei_fy2020/zeisei_k/pdf/zeiseikaisei.pdf

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