公認会計士試験勉強法

 今年も、公認会計士二次試験の結果発表が明後日(2016年11月11日)と迫ってきました。
 私の後輩も受験しているので、合格していて欲しいと願うばかりです。
 
【追伸】合格の報告をいただきました。今後公認会計士としての新たな人生を温かく見守っていきたいと思います。(2016年11月11日加筆)

 かく言う私も2010年11月、執筆時から6年前に合格発表で自分の名前を発見しました。
 公認会計士資格を取ろうと大学3年(2007年)の夏から勉強を始め、およそ3年間勉強漬けだった辛さはいまだに覚えていますし、二度と経験したくないものです。

 何校も受けられる大学受験や、個人的スキルアップのために受ける簿記等他の資格と異なり、その資格を取得しないことには働き始めることが出来ないことから、並大抵のプレッシャーではありませんでした。
 合格しないことには人生が進まないのです。
 (諦めれば進みますが、私の性分ではありえないでしょう。)

 大学3年のスタート時は簿記3級すら持っておらず、仕訳の貸借(左右)の意味すら知りませんでした。
 とりあえず現金預金の入金は左、出金は右で、その内容を相手勘定とするんだ、という理解をしたものの、売掛金という概念が出てきた瞬間その理解は崩壊するような有様でした。

 全く理解のペースが追いつかないまま毎日の授業は容赦なく進んでいきます。

公認会計士試験について

 ここで公認会計士試験について簡単に触れておくと、

 まず短答式試験といわれる、マーク式の一次試験があります。
 今は年2回になりましたが、私が受験していた当時は年1回でした。
 
 ここでの試験科目は、

①財務会計論 ⇒ 簿記、財務諸表論

②管理会計論 ⇒ 原価計算、経営意思決定や業績管理の理論

③監査論

④企業法 ⇒ 会社法、商法、金融商品取引法他

となります。

ここで、およそ70%近くの点数を取り合格することで、初めて論文式の二次試験に進めます。

 論文式試験の試験科目は

①会計学 ⇒ 財務会計論、管理会計論(短答でいうところの①と②)

②監査論

③企業法

④租税法 ⇒ 法人税、所得税、消費税、一部相続税

⑤経営学 or 経済学 or 民法 or 統計学 ⇒ ここから1科目選択

であり、税理士試験のように科目合格は無いので、1度の試験でこれら全ての科目で合格点(約50%)に達する必要があります。

専門学校で

 1科目につき電話帳2冊分の厚さのあるテキストが用意され、毎回の授業で、早いときは1コマ3時間で100~150ページ程度進むこともあるような膨大な量です。

 本当に驚くほど早いスピードで毎日授業が進められるのです。

 そんな中で全くついていくことができず、最初の受験は、短答式試験で門前払いを受けてしまいました。

 伸び悩んでいたときに、合格者の先輩に話を聞いたところ、

「いつまでもテキストにしがみついてても出来るようにならないよ。どれだけ試験問題を解くかだよ。」

とアドバイスを受け、勉強法を見直すことにしました。

 確かに、1度目の試験を受けるまでの勉強は、まずテキストの論点をきっちり押さえていないと問題は解けるようにならないと思い、一生懸命テキストの各論点ばかりを押さえていました。
 しかしこれだけ試験範囲が膨大になると、各論点を理解できたと思っても、少し先へ進むと以前学んだ論点を忘れてしまっており、いつまでも総合問題が解けるようになっていなかったのです。

 そこで、まずテキスト各論の理解は置いといて、総合問題から先に手をつけることにしました。

 もちろんはじめは全く分かりませんが、総合問題といえども各論が結集しているだけなので、各論が総合問題の中でどのような聞かれ方をしており、どう解答したら正解なのかを把握することに努めました。

 総合問題の中で各論に出会ったときに、辞書的にテキストの各論部分を調べ理解するという総合問題主体の勉強法に切り替えたのです。

 すると、専門学校内での模擬試験の点数や順位が飛躍的に伸び、最終的には短答式全国3位、論文式は全国58位にまで到達することができました。
 割と上位から順当に受かっていく試験なので、波乱もなくその1年後には無事合格にたどり着くことができました。

 
 会計士試験の特徴ですが、数年で試験範囲を網羅的に理解するにはあまりにも広すぎます。
 科目合格制度も無いので、実はあまり全科目完成されていなくても合格してしまう試験であったりします。

 例えば、全ての科目で平均点しかとれなくても、総合するとかなり上位にいけてしまいます。
 そういう意味では、科目合格制度があり、受験生が1科目に全身全霊を注いで挑んでくる税理士試験の方が過酷かもしれません。。。

最後に

 長い人生のうち、3年程度死に物狂いで勉強すれば、一定の能力があると認められ、責任のある仕事ができるようになると思えば、非常にコストパフォーマンスのいい資格なのかもしれませんね。

 その後の生かし方次第ではあるので、日々精進は欠かしてはいけませんが。

 各科目の勉強法については、また改めてどこかで触れられればと思います。

公認会計士試験勉強法” に対して2件のコメントがあります。

  1. さくら より:

    なるほど〜と思ってしまいました。
    現在、会計士の勉強を始めて2ヶ月経ったのですが、
    勉強した論点をすぐ忘れるということにストレスを感じ同じようにうんざりした気持ちになっていました。
    なので、基礎問題をまた解き直すか…などと思っていました。が、このブログを見て、、私も総合問題から解いてみようかと思いました!
    総合問題や答練の問題を後回しにしようとしてましたが、
    先にやってみた方がいいのかもしれませんね。

    1. haba より:

      コメントありがとうございます!
      はじめはきっと、もの凄く時間がかかると思います。
      1日中その総合問題に費やすこともありましたが、繰り返すうちにその時間も短くなってきて、気づいたら論点全部カバーできてたって思う日が来ると思います。
      まだ2か月だと出口のないトンネルを走っている気がすると思いますが、ぜひ合格をつかみ取ってください。
      応援しています。

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